M / W Hotel 2F

 
 

M / W HOTEL

 新宿御苑の近くに位置する5階建ての建物を一棟改修し、宿泊施設とする計画である。

近年の外国人観光客の増加に伴い観光の形が多様化していることから、長期滞在や、団体客をターゲットとした施設とすることが求められた。

その条件により、ホテルにおける一般的な客室の広さに比して広めの室面積となり、その結果、50㎡程度の部屋が5層に重なる建物構成となった。

その一部屋辺りの広さを生かし、客室を「寝泊り」という意味における宿泊だけでなく、滞在中の生活の一部として、様々な活動、体験を行うための居場所として捉え直すような計画を行った。

その結果、通常の客室に見られるような寝室を中心としたものではなく、利用者が集まることのできる「広間」のような場所を中心とした構成をもつ客室となった。

この「広間」は利用者が集まれる広さをもつことから、予約の空いている時間には宿泊だけでなく、各室の性格に応じてSOHOとしての利用や打合せ、料理教室、ギャラリー、日本文化に関する教室や、パーティなどの一時的な利用も想定されており、ホテルという枠組みを超えて、多様な空間の活用を可能にしている。

各階のプランは一見、それぞれが異なるテーマをもとに計画されてはいるが、玄関を入りすぐに広間に至る「リビングアクセス」の形式を持つこと、その「広間」に寝室や水廻り等、生活のインフラが隣接するという形式を共有しており、広間と生活のインフラの関係を障子や開口部、壁の配列によるものといった具合に境界のあり方の違いによって各部屋の違いを作り出している。

この計画は、定常的な生活ではないが観光の多様化をきっかけに、旅行における滞在を生活の一部と捉え直し、その生活体験のきっかけとなるような空間のあり方を実験的に実践したものであると同時に、宿泊施設におけるシェアリングエコノミーを通じた場所の共有が可能となる空間のあり方に対する提案である。

(HaT architectsと共同設計) 

日付:2019年7月

用途:ホテル

場所 : 新宿区四谷4-27-3

建築面積:約73㎡

延床面積:約402㎡

住戸面積:1階: 約40㎡

     2階: 約56㎡

     3階: 約56㎡

     4階: 約56㎡

     5階: 約46㎡ 

規模:地下1階地上5階建て

構造:RC造