第49回東京建築賞において、
「台と家」が共同住宅部門 奨励賞を受賞しました。

◼︎設計コンセプト
小さな部屋に広がりをつくる箱の分散配置
 既存の間取りは和室2部屋とキッチンの2Kで、面積は約30㎡だが、躯体の天井高さが2.9mと高く、3面採光で開けた眺望をもっていた。構造体がもつ気積を最大限に活かすため、間仕切りで機能を分割する「間取り」ではなく、トイレや風呂、キッチン、収納、玄関といった住宅を成立させる機能を最小化、細分化し家具のような箱に納めて分散配置した。
 この「機能を内包した箱」は、脚で支えたり台の上に設えることで、床から持ち上げられている。この隙間の一部は設備配管のための最小限の立ち上がりになっており、通常、床下になる空間を生活のための気積として表出させている。また、天井との隙間は収納としての利用も可能な場所となっている。箱と箱の間は状況に応じて変更可能な余白のスペースとした。
 住宅の機能を家具的に扱うことで、小さな空間を最大限活用し、空間的な豊かさに転換することを目指した計画である。

◼︎審査員講評 (宮原 浩輔 氏)
築50年の35㎡RC造4階建て壁式アパートの内装全面改修。なんの変哲もない和室2Kの木軸間仕切壁と天井を撤去してワンルーム化することで、角部屋ならではのパノラミックな眺望・通風と、最上階住戸の持つ2.9mの天井高さが生み出す快適さを「発見」した設計者の目利きを評価したい。
 食器棚、クローゼット、キッチン、バスなどを床から浮遊させ「機能を内包した箱」化することで、狭小住戸に広がりを与えている。またこれらの装置のいくつかは移動可能で、限られたスペースの住まい方の工夫のための道具立てとしても機能しており、若い夫婦ならではの変幻自在な生活の舞台装置でもある。
 ミニマルではあるが決して閉じ籠らず、3方の窓が提供する西新宿の高層ビル群を臨む眺望は、この最小限住居が社会に開かれていることを示している。将来性を感じさせる若いふたりの設計者夫婦へのエールとしてここに奨励賞を送るものである。

◼︎審査員
千葉 学 氏 宮原 浩輔 氏 飯泉 洋 氏 伊香賀 俊治 氏 石井 秀樹 氏 奥野 親正 氏 北 典夫 氏
永池 雅人 氏 平倉 直子 氏 古谷 誠章 氏 宮崎 浩 氏 山梨 知彦 氏 渡辺 真理 氏

◼︎台と家
建築主   個人
意匠設計  株式会社TOASt
施工者   株式会社セットアップ
写真    中山保寛写真事務所

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