登戸区画整理事業によって新しく計画された登戸つくりと公園と同時にこのカフェは計画されました。地元住民による公園協議会の中でカフェのある公園が提起され、Park-PFI制度を活用することで、実現化を図ったものです。
ここでは、公園に作られるみんなの居場所として、「大きな屋根」を主な空間モデルとし、その下に自由な居場所ができることをイメージしています。
そのため、トイレが屋根の下で分棟化し、より公園のトイレとしての意味合いを高め、カフェとの間にできた空間は半屋外の曖昧な居場所として、公園の東屋のような性格を帯びています。
屋根はスパンを飛ばすために梁に集成材を用いていますが、小さな公園のカフェとしての親密さを考慮し、逆梁とすることで梁の重厚さを消し、上下に反転された屋根構成によって、屋根垂木がそのままルーバーのように軒下に現れる構造体としています。垂木は壁や梁などの室内を構成するものと向きを変える事で、屋根の独立性を高めると同時に、丘を中心とした公園への方向性を強めています。
カフェ内部空間は、集会所のような地域の活動も想定されることから、正方形に近い平面計画とし、多様な利用の想定しやすいプロポーションとしています。また、4面に開けている事で、カフェを含めた公園全体を見通しやすく、防犯面や公園の管理にも配慮した計画となっています。
ウッドデッキはGLから+350に設定され、園路や広場に面するため、アプローチでありながら、全体が公園のベンチのように利用することも可能です。
このように公園と一体的に計画されたカフェは、大きく張り出された屋根が、街区公園という暮らしに根差した公園の中に、公園の丘とともに新しい活動の風景を生み出す契機になることを意図しています。
メディア掲載
2026.08 雑誌【新建築 2026年8月号】掲載
2026.05 WEB【タウンニュース】掲載
竣工 2026年4月
用途 カフェ
担当 小滝健司、高藤万葉、田畑茉帆* (*元所員)
敷地 神奈川県川崎市
規模 木造
敷地面積 864.08㎡
建築面積 165.61㎡
延床面積 143.45㎡
建主 井出ビルディング株式会社 / 株式会社井出コーポレーション
設計 建築 株式会社TOASt
構造 オーノJAPAN
設備 株式会社RISE設計室
施工 株式会社栄伸建設
写真 中山保寛写真事務所